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  • 戦前の向坂逸郎
    ――諸論争の雄として活躍、治安維持法容疑で入獄

    向坂逸郎(一八九七年二月六日生まれ)は熊本の第五高等学校から東京大学法学部経済学科に進んだ。大森義太郎、宇野弘蔵、有沢広巳らと親交をむすぶ。二二年末ドイツに留学。二五年春帰国して九州大学法文学部助教授に赴任。翌年教授に昇進。
     二八年四月、九大当局から「左傾教授」としてパージされ上京。大森義太郎と世界初の改造社版『マルクス・エンゲルス全集』の編纂・訳出に携わる。また改造社の『経済学全集』に『資本論大系』を執筆。二八年秋に雑誌『労農』同人になり、実際運動への関与をはじめる。
     三〇年から価値論論争、地代論論争に参加し『地代論研究』を上梓。三二年に岩波茂雄から『資本論』翻訳を依頼されたが岩波の都合で中止。三三年から、ファシズム経済(統制経済)論や、知識階級論、自由主義論などを論じる。
     三五年から講座派との論争に参加。日本マルクス主義史上最大の日本資本主義論争を領導。『日本資本主義の諸問題』を上梓。三五年八月に『マル・エン全集』二九巻全三三冊を完結させた。『労農』の後継誌として三五年に刊行された『先駆』の責任者を務める。
     三七年一二月一五日、治安維持法違反容疑で検挙。三九年五月に保釈され、以降控訴審が敗戦まで続く。保釈後は当局の圧力で訳業も不可能となり農耕で大勢の家族を養う。
  • 戦後の向坂逸郎
    ――マルクス主義の解明と、社会党・総評運動への貢献

    敗戦後『資本論』翻訳を岩波から再び依頼され作業に入る。四六年から九大に復職し講義を開始。山川均の民主人民連盟に協力し、平和革命論を提唱。四七年に山川・向坂代表で荒畑寒村らと雑誌『前進』
    を創刊。一一月には大内兵衛・向坂編集で季刊『唯物史観』を創刊。四九年から五〇年にかけ『経済学方法論』を上梓。
     五一年六月に山川均とともに社会主義協会を発足させ、大内兵衛・山川均編集で『社会主義』を創刊。協会は鈴木茂三郎ら社会党左派を支え、講和条約をめぐる社会党の左右分裂では左派社会党を支持した。向坂は左派社会党『綱領』策定に協力し、日本共産党の民族主義的路線に批判を加えた。
     五五年から『マルクス・エンゲルス選集』編纂を開始し、全一五巻を完成させた。最終配本として大著・『マルクス伝』(一九六二)を執筆した。
     五三年から三池労組での『資本論』学習会を開始。左右社会党の合同が俎上に上ると、山川とともに「無原則統一」批判の論陣を張る。五五年に社会党統一となると、社会主義協会と労働大学に拠って社会党の強化と労働者教育に務め、また総評の太田薫―岩井章指導部に協力していく。五八年に山川均が没し、社会主義協会代表を大内兵衛とともに担う。 六〇年二月に九大での最終講義を終えると三池闘争支援に集中する。六〇年三池・安保闘争の総括をめぐる「構造改革」論争に参加。六五年に大内兵衛と『唯物史観』を復刊。『資本論』の改訳に着手し、六七年に完成。
     社会党の綱領的文書『日本における社会主義への道』策定に協力し社会党の成田知巳委員長を支える。国鉄労働組合の学習活動に参加し国鉄反マル生闘争を支援。社会党・総評ブロックの高揚に貢献した社会主義協会の最盛期を領導した。
  • 本著作集編纂にあたって

    労働運動、無産政党運動が本格化する大正期から、ファシズムの制圧と戦後民主主義の高揚、社会党・総評ブロックの成長という歴史の渦中に身をおき、息長く大きな役割を果たした人物は類例がない。その論稿は日本におけるマルクス主義の受容と社会主義運動の試行錯誤の歴史を検証するに不可欠である。幅広い学識と人生がにじみでる随想もまことに味わい深い。
     また格差と貧困と戦争の世紀に直面して『資本論』が再評価されている今日、向坂によるマルクス主義の原点の探究は現代的意義をもっている。
     本「著作集」には、座談会・インタビューの筆記、書簡などはのぞき論稿の大部分を採録した。そして歴史的検証のためにも、原則として初出年月順に編纂し、各巻末に論文ごとの詳細な解題を付して執筆時の時代背景などがわかるようにした。
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学者の著作集はどんな関心で読まれるだろうか。もちろん第一は学説である。次いで人物と生涯であろう。この点では向坂先生は、専門はマルクスという「洋学」だが、精神の基礎には漢学(あるいは武士的精神・倫理)の影響があった最後の世代の一人ではないかと思っている。さらに、学者だけにとどまらず社会運動の前面にも立たれ続けたから、その面で得られる知見も多いだろう。こうした多種の関心に応えるため、とりわけ図書館にはぜひ備えてほしいと願うものである。
埼玉大学名誉教授 伊藤修


 向坂逸郎は、私にとってはまったく歴史上の人物である。しかし、向坂の薫陶を受けた多くの人々が、いまなお職場や地域に根を張って地道な相談・組織活動を続け、また貪欲にマルクス主義の探求を続けていることをみるならば、その存在の大きさを感じないわけにはいかない。改めて考えると、向坂ほど長きにわたって日本の社会・政治運動に影響を与え続けた知識人もいないだろう。それぞれの時代の課題に向坂がどのように格闘してきたのか、本著作集から私も学びたいと思う。
専修大学経済学部教授 岩佐卓也


 私は山川均先生と向坂逸郎先生の謦咳に接することができました。山川先生の全集は刊行されましたが、向坂先生のそれも心待ちにしておりました。日本の社会主義運動に理論的にも実践的にもおおきな影響をあたえた人物の思索の跡は、わたしどもにおおくのことを訓えるにちがいありません。
元衆議院議員 上野建一


 私は「法則性」の理解などにおいては宇野学派だが、向坂先生のお宅で毎週土曜日におこなわれた『資本論』研究会に20年近く通い『資本論』の精神を教示いただいた。先生は戦前は山川均にしたがい日本資本主義論争で、戦後は対米従属論争で、講座派系に一歩も引かぬ論陣を張った。また三池労働者とともに歩み三池闘争の支援に全力をつくした。向坂逸郎の全貌が「著作集」によって明らかにされる意義は大きい。
経済学者 鎌倉孝夫


 向坂逸郎先生は『経済学方法論』で「史学も理論経済学もたしかに弁証法的または史的唯物論であるほかない。しかし、この二つの科学における方法は異ならなければならぬ。それぞれの対象にしたがって、史的唯物論または弁証法がより具体的な形で適用されねばならぬ」と指摘されている。私は文化史の研究を通じて、この先生の見解を実感する日々を過ごしてきた。『資本論』は多角的に歴史や文化、人間の存在についても考えさせる内容をもち、西洋では古典的著作とみなされている。向坂先生の論考と随筆を、そうしたマルクスの世界への最良の手引きとして推薦したい。
文化史家 神津朝夫


 1970年3月、国労会館にいくと資本論学習会の案内が貼ってあった。労農派と講座派の論争のことは聞いていた。そんな知識のまま会議室に入った。まもなく向坂逸郎先生が目の前に座った。いまさら逃げ出すこともできず、先生に「のめりこまぬ」ようにしたが就職先の丸善から月1回、夕方の学習会に通うのが楽しくなった。大学では経営学ゼミだったので、門下生の馬場克三先生、内川菊義先生方からも科学的分析の面白さを学んだ。日本資本主義の解明がマルクス主義のもと、ただし機械的適用ではなく、膨大な統計資料をもとに批判的かつ平易な文章で解かれた向坂先生の研究成果は、そのごの活動家、研究者の育成につながったにちがいない。
立教大学名誉教授 熊谷重勝


 時の首相から国会で名指しで批判された学者は南原繁と向坂逸郎くらいだろう。権力から恐れられた人物の論稿は何かを後世に伝える。城山三郎が「『男の生き方』四〇選」という本を編纂した際「疾風怒濤の時代を個性通りに生き抜いた」四〇人の一人に向坂を挙げた。毀誉褒貶の的となっても自分の語ることと自分の行いを一致させ、社会党に「魂」をいれようとした向坂の生涯の記録である。近年行いを伴いつつ思想を語る学者は少ない。異色の「著作集」であろう。
評論家 佐高信


 わたくしは縁あって故先生に幾度かお会いしている。もう晩年で好々爺然とされていた。書庫を拝見し、検索させていただいた。80年代前半であった。杖をついてゆっくりと歩いてこられ、わたくしどもの作業を目を細めて眺めておられた。最初は山川菊栄関係、ついで堺利彦関係の書籍・冊子・書簡・資料類などを見せていただいた。書庫は真冬でも火気は厳禁で、先生は椅子にちょこなんと座って楽しそうにしておられたお姿が懐かしい。今回はあの名著『マルクス伝』はじめ、身近にあった人びとの回想類も収録され、刊行が待ち遠しい。
女性史研究家 鈴木裕子


 私が初めて向坂先生と話したのは、1974年秋に鷺宮のお宅を訪問した時だった。大学4年生だが、もう大学院に進学して中国現代文学を研究しようと決めていたので、先生に中国社会主義について質問したところ、いきなり中国は社会主義がわかっていない、と怒り出した。私が、大学院に進学して本格的に勉強したいと自己紹介したところ、表情が変わり、社会主義協会はソ連派ではない、中国を研究している人は少ないからしっかり勉強するように、と言われた。その翌月かに先生は脳梗塞で倒れられたのだが、この会話は強く記憶に残っている。著作集刊行を機に、改めて向坂先生の著作を学びなおしたい。
摂南大学名誉教授・中国現代文学演劇研究 瀬戸宏

 バブル経済崩壊後30年以上にわたって日本経済が停滞し、格差・貧困が拡大する中で、『資本論』に集約されたマルクスの経済理論への関心が高まっています。そのような時に、マルクス「資本論」の翻訳者であり、マルクス経済学のすぐれた理論家として活動を続けてこられた向坂先生の著作集が発行されることになったのはこの上なく喜ばしいことです。
 さらに著作集に収録された向坂先生の社会党・総評や三池闘争についての論稿は、日本の政治・労働運動の歴史や今後のあり方を考えるための資料としても重要な意味を持っています。そして先生の日常的な体験や人間関係に根ざした教訓に満ちたエッセイも、是非多くの方に読んでもらいたいと思います。
一般社団法人山形県経済社会研究所理事長 立松潔


 『マルクス経済学の基本問題』(岩波書店刊)の表紙裏に「佳き日の思い出に」と、向坂先生に揮毫していただいています。結婚の報告に伺った折に、書いていただきました。そういう私ですのに、向坂逸郎著作集発刊に、何一つ、貢献できなかったこと、「申し訳ない」という思いで、いっぱいです。大きな壁を乗り越え、多くの知人がこの待望の著作集の発刊に関わってくださったと伺い、嬉しく思っています。日本の労働運動、社会主義運動の再構築に、必ず、大きな役割を果たすはずです。第1回配本が楽しみ。私はもちろんですが、近くに、都立図書館も、市立図書館もありますので、そちらでの購入もお願いしてみようと思っています。
元衆議院議員 常松裕志

 
 向坂逸郎先生は、戦前・戦後を通じ旺盛な執筆活動を通じて、日本のマルクス経済学および、日本の社会主義運動に思想的・実践的に巨大な影響を及ぼした希有な論客でした。その執筆活動の全貌が、本著作集によって明らかとなり、私どもがすぐ参照できる形になることは、まことに意義深いものがあります。しかも、戦前期5巻、戦後期11巻の全16巻がすべてデジタル化され、事項検索・人名検索も可能となり、必要部分をダウンロードできるのは、書籍型の著作集ではとうてい考えられなかった便利さです。
 本著作集の基礎となった和氣誠・和氣文子編『向坂逸郎著作年表』の編纂、膨大な文献をワードのデータとして入力された多数の方々の努力が、本著作集の刊行を可能にしたもので、心からの敬意を表する次第です。
法政大学名誉教授・法政大学大原社会問題研究所名誉研究員
二村一夫

 
 日本を代表するマルクス経済学者であり、社会運動家であった向坂逸郎はまた、多くの研究者や活動家を育てた教育者でもあった。九州大学教授として学生を指導し、マルクス経済学のみならず、社会科学の様々な分野の研究者を育て、影響を与えた。労働者教育にも力を入れた向坂は、三池闘争をはじめとして数多くの活動家を全国各地に生み出した。向坂自身の研究・思想の全体像を表す本著作集は、その薫陶を受けた研究者や活動家の思想的背景を表すものでもあると言える。本著作集が、向坂逸郎本人に関する研究のみならず、マルクス経済学を中心とする日本の社会科学史、労働運動をはじめとした社会運動史の研究の進展に資することを期待している。
九州大学文書館副館長・教授 藤岡健太郎


 向坂逸郎は、共産党系の流れには属さないマルクス主義者として生涯を貫いた。私にとって向坂は、その政治的立場は異なるものの、共に日本社会の変革を目指しマルクスに学ぶものとして尊敬すべき先達であり、その仕事と本格的に格闘したい巨大な対象である。講座派と労農派の対抗以来、日本のマルクス主義陣営の2つの潮流は、激しく対立しながら、共に日本の特殊な構造を踏まえた社会変革のあり方と主体形成を探ってきた。対立は、主として、その特殊な構造を何処に求めるか、変革の主体形成をいかに行うかにあった。
 著作集刊行を機に、向坂の社会変革の実践に関わった理論的格闘の足跡を改めて学びたい。戦後80年を経て、時代が大きく、嫌な方向に変わろうとしている現在、向坂の営みは、私たちに鋭い示唆を与えてくれるに違いない。
一橋大学名誉教授 渡辺治

2026年6月以降刊行予定

第2巻 改造社『資本論体系』(上・一九三二年、下・一九三一年)
2026年6月下旬刊行
●各巻500頁程度
●各巻9000円程度(*刊行時に確定いたします)
第3巻 地代論論争関係・『レーニン伝』など(一九三一〜三三年)
2026年8月下旬刊行
●各巻500頁程度
●各巻9000円程度(*刊行時に確定いたします)
第4巻 日本資本主義論争関係、自由主義論関係など(一九三三〜三七年)
2026年9月下旬刊行
●各巻500頁程度
●各巻9000円程度(*刊行時に確定いたします)
第5巻 ファシズムに抗して(一九三六〜四二年)
2026年10月下旬刊行
●各巻500頁程度
●各巻9000円程度(*刊行時に確定いたします)
第6巻 戦後激動と平和革命論(一九四五〜四九年)
2026年11月下旬刊行
●各巻500頁程度
●各巻9000円程度(*刊行時に確定いたします)
第7巻 戦後労農派の模索(一九四九〜五一年)
2026年12月下旬刊行
●各巻500頁程度
●各巻9000円程度(*刊行時に確定いたします)
第8巻『経済学方法論』(一九四九〜五〇年)
2027年1月下旬刊行
●各巻500頁程度
●各巻9000円程度(*刊行時に確定いたします)
第9巻 左派社会党擁護、左翼の混迷批判(一九五一〜五四年)
2027年2月下旬刊行
●各巻500頁程度
●各巻9000円程度(*刊行時に確定いたします)
第10巻 社会党と総評(一九五四〜五六年)
2027年3月下旬刊行
●各巻500頁程度
●各巻9000円程度(*刊行時に確定いたします)
第11巻 スターリン批判、「窮乏化」議論(一九五六〜五九年)
2027年4月下旬刊行
●各巻500頁程度
●各巻9000円程度(*刊行時に確定いたします)
第12巻 三池闘争と構造改革論争(一九五九〜六三年) 2027年
2027年5月下旬刊行
●各巻500頁程度
●各巻9000円程度(*刊行時に確定いたします)
第14巻『流れに抗して』、疎外論、ロシア革命五〇年(一九六四〜六七年)
2027年6月下旬刊行
●各巻500頁程度
●各巻9000円程度(*刊行時に確定いたします)
第15巻『資本論入門』、社会党・総評の高揚を論ず(一九六八〜七二年)
2027年7月下旬刊行
●各巻500頁程度
●各巻9000円程度(*刊行時に確定いたします)
第16巻『わが資本論』、『戦士の碑』、晩年の論稿(一九六七〜八五年)
2027年8月下旬刊行
●各巻500頁程度
●各巻9000円程度(*刊行時に確定いたします)
小見出し
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  • 第1巻 
    マルクス経済学探究の出発(一九二八〜三一年)

    マルクス経済学研究の基点となった「価値と生産価格」、「人口理論」。九大追放後論壇に登場し「価値論争」に参入した「労働価値説を支持す」、「小泉信三の『マルクス批判』の批判」。『中央公論』に連載した山川均、河上肇、櫛田民蔵、大内兵衛、高田保馬、大森義太郎、有澤廣巳ら先輩・同僚らを活写した人物論等。ほとんどが初の再録。
  • 第2巻
    改造社『資本論体系』(上・一九三二年、下・一九三一年)

    上巻は『資本論』第一巻、下巻は第三巻をあつかう(第二巻は宇野弘蔵と山田盛太郎が担当)。上巻はベーム・バヴェルクと小泉信三らによるマルクス価値論批判などについても批評。下巻は第三巻の「生産価格」論や「利潤率の傾向的低下」など、当時の論争にふれつつ展開。また地代論について、地代論論争で提出された諸問題への見解を示しつつ詳細に論ず。両巻ともに逐条解説ではない若き向坂の価値論についての論争文集である。
  • 第3巻 
    地代論論争関係・『レーニン伝』など(一九三一〜三三年)

    差額地代論を通じて『資本論』の価値論への理解を一段と深めた論争にかかわる諸論稿。高田保馬らブルジョア経済学者への批判と、河上肇、林要、猪俣津南雄らマルクス派内部の論争を通じて、向坂の論壇における位置を高めた。「ファシズムの社会的基礎」などファシズム分析の初期論稿、日本では初の本格的な「レーニン伝」など。
  • 第4巻
    日本資本主義論争関係、自由主義論関係など(一九三三〜三七年)

    日本マルクス主義の二大潮流である『労農』派と講座派の日本資本主義論争をリードした諸論稿の主なものを採録。山田盛太郎を批判した「『日本資本主義分析』における方法論」は、講座派批判の立脚点を定めたもの。「資本主義における構造的変化の問題」は平野義太郎批判。「現代自由主義論」、「現下の思潮とマルクシズム」、「知識階級論にかんする感想二つ」など、自由主義論、知識階級論についての論稿。「ある自由主義者の自己暴露」、「文章は暴力である」など河合栄治郎との論争。ファシズム統制経済論への批評「統制経済論総観・序論」など。資本主義論争関係以外はほとんど初の再録。
  • 第5巻
    ファシズムに抗して(一九三六〜四二年)

    「民族主義の現代的意義」、「ファッショ・インタナショナル」、「知識階級の黄昏」などのファッショ化への批評。「私の青年論」、「良心の相対性」など虚無に陥りがちな知識人や青年への励ましの文章。アンドレジッドの「ソヴィエト紀行」の批評「社会主義の理想と現実」。昭和期の思想状況の総括的論評「政治と文化の相克」。イソップの言葉も駆使しながらの社会時評はほとんど初の再録。
  • 第6巻
    戦後激動と平和革命論(一九四五〜四九年)

    「いのちを軽んずる思想」、「疑いうる精神」、家父長制を論じた「『家』の思想における封建制」など、戦争に押し流された日本への省察。資本主義論争の続編としての「土地制度改革について」、「日本経済における民主主義革命の課題」など。平和革命論の考究として「歴史的法則について」、「国家と社会変革の形態」、「社会主義革命の新方式について」、社会党内の森戸―稲村論争に触れた「『平和革命方式』の問題」。マルクス主義の形成過程を追う連続的な論稿として「物神性の発見」、「『ドイツ・イデオロギー』にける経済学の方法」、「『共産党宣言』の思想」など。
  • 第7巻
    戦後労農派の模索(一九四九〜五一年)

    「帝国主義時代と民族問題」、「日本民族と労働者階級」、「愛国心について」、「『革命的』ロマンティシズムの克服」、「共産主義なき共産主義者」、「朝鮮動乱と再軍備の問題」、「軍備に関するマルクス・エンゲルスの思想」、「社会主義と侵略」など、朝鮮戦争と日本の再軍備、共産党の民族主義などを論じた論稿。戦後労農派内の論争「小堀君との意見の相違」、都留重人への公開書簡など、初の再録多数。
  • 第8巻
    『経済学方法論』(一九四九〜五〇年)

    『マルクス伝』とならぶ書下ろしの大著。マルクス経済学研究の集大成。アカデミックな「経済原論」とは異質で、初期マルクスからの思想形成を追い、「歴史的・論理的方法」を精緻に展開。『資本論』劈頭「商品」や「単純なる商品」の理解などマルクス派内の論議の的であった諸問題に見解を示す。向坂は本書について「論争的な形式をとってはいないが、私にとっては一つの論争の書である」と述べている。
  • 第9巻
    左派社会党擁護、左翼の混迷批判

    「平和四原則は生きている」など社会党「平和四原則」擁護の論陣。「新しい社会主義政党に寄す」、「左派社会党の成長」、「党風確立の
    ために」など左派社会党への提言。敗戦後のイデオロギー状況を批評した「思想と政治」。価値法則をめぐる混乱を批判した「価値法則と社会主義」、「単純なる商品について」、「市場価値論と相対的剰余価値論」など価値論の難題への見解を示した。日本共産党『五一年綱領』批判の諸論稿。
  • 第10巻
    社会党と総評(一九五四〜五六年)

    社会党左右合同に関する論稿「社会主義政党の合同」、「『綱領』における革命の方式」、「若き友への手紙」、「社会党よ我が道を往け」。前進する三池労組への訓戒である「『三池十年』巻頭言」。三池の実践を援用した総評への提言「労働組合と社会主義政党」。『経済学方法論』の要約である「マルクス経済学の方法」と、初期論稿の「人口理論」以降論じてきたテーマの集約である「資本主義における失業の不可避性」。
  • 第11巻
    スターリン批判、「窮乏化」議論(一九五六〜五九)

    スターリン批判のうけとめと、それが惹起した「窮乏化」論などについての混乱を正す論稿。「社会主義の古くて新しきもの」、「変化しつつある世界の中で」、「マルクス主義者も人間である」、「トリアッチ提案を読んで」、「『窮乏化理論』をどう理解するか」など。ハンガリー動乱について「ある若き友への手紙」。統一社会党への提言「党風確立の諸問題」、「正しい綱領、正しい機構」。総評への提言「冷徹に自己の弱点を発見せよ」。五八年に没した山川均への追悼文多数。
  • 第12巻
    三池闘争と構造改革論争(一九五九〜六三年)

    社会党の「国民政党論」批判である。「『向坂論文』について」、「階級政党と国民政党」、「社会党の再建にたいする我への態度」。三池闘争に関する「労働運動について私はこう考えている」、「三池闘争と安保闘争からの反省」、「三池の労働者とともに」。三池・安保闘争の「敗北」から提唱された「構造改革論」への論評「構造改革論の改良主義的性格」など、社会党・総評に影響を与えた論稿多数。
  • 第13巻
    『マルクス伝』(一九六二年)

    質量ともに、メーリングのそれと並ぶ世界的なレベルの伝記。『経済学方法論』にならぶ向坂の二大書下ろしの一つ。執筆の経緯に触れた「『マルクス伝』研究余滴」も付す。
  • 第14巻
    『流れに抗して』、疎外論、ロシア革命五〇年(一九六四〜六七年)

    戦前からの『資本論』翻訳の顚末「岩波さんと『資本論』と私」。中ソ論争に言及した「社会主義とは何であるのか」。敗戦直後まで
    の自伝的回想『流れに抗して』。マルクスの「疎外論」をめぐる「『疎外型革命』家の自己疎外」、「人間疎外と『窮乏化法則』」。社会党と社会主義協会の戦略的文書策定への提言「国家権力の平和的移行について」、「社会党の理論的諸問題」。「ロシア革命五〇年と社会主義の将来」「一〇月革命の世界史的意義」など。
  • 第15巻
    『資本論入門』、社会党・総評の高揚を論ず(一九六八〜七二年)

    平易な語り口の『資本論入門』(岩波新書)。社会党の成田体制を擁護する「不動の階級理論と行動の党へ」、「江田論文批判」、「党を守ろう」。七〇年代初めの社会党・総評ブロックの高揚と統一戦線運動への提言「国家独占資本主義と労働者階級の統一戦線」、「政治的統一戦線形成の条件」、「国労反合理化の闘いに寄す」、「労働者思想の確立」。鈴木茂三郎追悼の論稿。ニクソン・ショックの時代的意味を論じた「なにをなすべきか」など。
  • 第16巻
    『わが資本論』、『戦士の碑』、晩年の論稿(一九六七〜八五年)

    『戦士の碑』は六七年から七〇年にかけて総評新聞に連載されたもの。堺利彦、山川均、大森義太郎、猪俣津南雄、櫛田民蔵、葉山嘉樹、里村欣三ら、実際に接した人物の回想録。七〇年代半ばからきざした社会党・総評ブロックにたいする攻撃への警鐘「客観的条件の認識を伴った活動を」、「社会党大会と反独占統一戦線」、「常に準備せよ」。理論的な自伝『わが資本論』は改造社版『マルクス・エンゲルス全集』にまつわる証言もふくむ。
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